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技術力の向上、人材育成、機械設備の高度化など、金型製造業が取り組むべき課題は多い。しかし、中小規模の企業が多い金型製造業ではいきなり多くの問題に対処する訳にはいかない。そこで「何を重点を置いて」経営努力をすればいいかが問題になる。
こうした重点課題を明らかにする手がかりとして、この第二年度モデル事業では、金型製造業にとっての「成長の鍵」となる取り組みを明らかにする研究を実施した。
業界内で成功を収めている企業もしくは独自の存立基盤を確立している企業、あわせて6社を研究対象として、それらの企業の成長過程(歴史)を調べ、各企業の今日にいたるまでの「成長の鍵」にあたる取り組みを抽出する作業を行った。そして、それぞれの「成長の鍵」を分析・分類し、金型製造業における「成長の鍵」の体系的な整理を行った。
この研究を通じて、金型製造業における成長要因として抽出されたのは、(1)ユーザーニーズ把握、(2)ユーザーニーズ具現化力の蓄積、(3)人材確保・育成・戦力化、(4)自社にとっての最適な事業領域の選択・見直し、(5)将来を見据えた投資である。
このうち(1)と(2)が一体となって、ユーザーニーズ対応力になる。金型業界では、従来、営業力=技術力という認識が根強く、受注力(営業力)とは何かについて、掘り下げた議論が欠ける傾向にあった。この成長過程研究の対象企業に共通するのは、受注力(営業力)強化のために、直接の顧客のニーズや潜在ニーズの把握につとめ、技術力・生産基盤の確立・整備に注力しているという点である。また、地方への工場進出によって、若手の人材確保をなしえたところも多い。
この成長過程研究とともに、3社を対象として、社内活性化・生産性向上モデル事業を行った。「5Sからはじめる社内活性化、生産性向上」(2社)と「ISO9001登録取得に向けた全社運動による活性化・経営体質強化」(1社)という2つのテーマで、各社の社員とともに、問題点の把握、その背景・原因分析、改善案作成、実行計画の立案を行った。
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